朝、家を出て100メートルほど。「そろそろ来るな…」と思った瞬間、腰から足にかけて、しびれと痛みが走る。
ベンチを探して腰を下ろし、「また休憩か」とため息をつく。少し休むと、また歩ける。
――この繰り返しに、心当たりはありませんか。
久留米の病院でMRIを見せられ、「ここが狭くなっています。脊柱管狭窄症ですね」と言われた方は多いと思います。
そして、こうも言われたかもしれません。「年齢的なものもあるし、様子を見るか、手術ですね」「うまく付き合っていくしかないですね」と。
その瞬間、「このまま歩けなくなるのかも」と、半分諦めてしまう。当院に来られる方の、本当に多くがそうです。
でも、当院に初めて来られた方に、検査を終えてから、私はこうお伝えすることがあります。
「画像で狭くなっていることと、いま歩けないことは、別のものかもしれませんよ」と。
たいてい、みなさん驚かれます。「え、狭窄が原因じゃないんですか?」と。
誤解しないでいただきたいのですが、狭窄が写っていることも、お医者さんの診断も、間違いではありません。レントゲンやMRIは、重大な病気を見つけるための、欠かせない大切な検査です。
ただ――「狭くなっている」ことと、「だから一生歩けない」ことは、イコールではありません。そう考える理由が、医学の世界に、ちゃんとあるのです。
あの「100メートルでまた来たな」という感覚は、坂道を登る車のエンジンが熱を持って息切れし、路肩で少し冷ますと、また走り出せる――あの感じによく似ています。
なぜ"歩くと"出て、"休むと"戻るのか。そこにこそ、諦めなくていい理由が隠れています。
この後、その理由をお話しします。


